12.Januar.2016

ちくんの引退

 最初に「京都サンガと契約更新せず」というプレスリリースを目にした時には、去年観戦した試合を想起しながら「まだまだ出来るし、きっとどこかで必要とされるだろうから頑張ってほしい。あるいは、ラストダンスを一緒に戦えたら」と思っていました。それゆえに、今朝出勤前に接した引退という報道はまさに青天の霹靂で、個人的には「第二の人生に幸あれ」という思いよりも「まだ出来るのになあ……」という残念さが強うございました。
 
chikun

 しかし、帰宅して一杯呑んで保存してある雑誌などを見返しつつ「レノファ山口などからオファーはあったが」という報道を踏まえると……どんなに焦がれ努力を重ねてもなれない人が多い職業であるプロサッカー選手となり、必要とされなくなれば否応なしに退かざるを得ない世界で20年間キャリアを積み重ね日本代表選手にも選ばれ、最も長い時間を過ごしたガンバにおいては名将の下で軍団長として生え抜きの寡黙で雄弁なファンタジスタや同期入団の何があってもマイペースなマエストロといった一癖も二癖もある選手を束ね、(それまではクラブもサポーターも望みこそすれども登り得なかった)三大タイトルという山々の頂に加えてアジアの頂点をも踏破した――踏破させてくれた――選手が、いまだ必要とされるうちに自ら退き際を選んで現役生活に終止符を打てることは、とても幸せなことなのではないだろうか、と思い至りました。
 ゆえにここはひとつ、ガンバサポの末席にある者としてありったけの感謝を述べて送辞に代えさせて頂きたく存じます。
 
 山口 智選手、お疲れさまでした。ポゼッションを掲げつつカウンターにカウンターを当てるという破滅的で美しくて愛おしいあのガンバを、攻守にわたる抜群のポジショニングと球捌きで支え続け、機を見てゴールを陥れ、タイトルを常に争うことの大切さと獲得することの嬉しさ苦しさを教えてくれたあなたの勇姿は一生忘れません。本当に本当に、ありがとうございました!

 これ以上こまごまと書くと湿っぽくなってしまい、新たな旅立ちを祝福する文章に相応しくなくなる恐れがありますし、ガンバからスタッフとしてオファーがあるとのことなので、将来また一緒に戦えたらと願いつつ、愚生の落書きはこの辺で御後が宜しいようで。

 ( ゚д゚)o0O(それにしてもACLの記念写真でちくんの向かって右にいるヤツの目立ちっぷりたるや……)


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4.Januar.2016

第95回天皇杯決勝 ガンバ大阪 2-1 浦和レッズ

 アイヤー、久しぶりの記事でどうもすみませんm(_ _)m
 年取ると仕事以外に割けるリソースが減り、そんなところに仕事が増えて草臥れて、サボってしまいました。今年はこうならないようガンバります(たぶん)。

スタメンと立ち上がり
ガンバ大阪:東口;米倉、丹羽、金正也、藤春;遠藤、今野;阿部、倉田、宇佐美;パトリック
(藤ヶ谷;初瀬;内田達、井手口、二川、リンス;長沢)
・準決勝よりスタメン変更なし、ベンチでは明神に替えてリンス
浦和レッズ:西川;森脇、那須、槙野;梅崎、青木、阿部、宇賀神;興梠、武藤;李忠成
(大谷;加賀、茂木、橋本;関根;高木俊幸、ズラタン)
・柏木欠場で青木スタメン
・守備的なバックアッパーである平川と永田も不在
・準々決勝、準決勝(延長戦)をフル出場の関根はさすがにベンチスタート
・準決勝で先発90分出場のズラタンがベンチスタート、延長戦出場の李が先発

 ガンバはスタメンも基本構造も広島戦同様の立ち上がり。パトリックに下がってもらうことで相手のボランチをケアし、サイドは大外を捨てて全体を圧縮、そうすることで秋の暴走を防ぎつつカウンター時のスペースを確保し好機を高確率で決定機に繋げようという志向でしょうか。おそらく準決勝の組み合わせが決まった時点で、広島戦と決勝をセットにして(交代策や折を見ての宇佐美と秋のポジションチェンジを含めて)仕込んだのでしょう。
 対して浦和は柏木不在の影響か、両ボランチが引いて左右のCBを押し出し気味にし、フィニッシュ以外では真ん中を省略するサイド攻撃千本ノック作戦。コンちゃんが中盤にいて適宜穴埋めとクロス対応にまわれるため、開始からアクシデントまでは、パトリックが得た決定機に象徴されるようにガンバ側の思惑通り試合が進んでいたと思います。

勝敗を分けたアクシデントへの対応力の差
 さて、そんな流れの試合で、まず浦和に槙野が手を負傷というアクシデント。試合後に20針縫うほどの裂傷を応急処置で乗り切って出場を続けたのですが、これにより競り合い等の細部の精度は落ちたと思われるので、是非については難しいところです。永田がいなかったことも監督の決断に影響を与えたのかもしれません。
  そして、この試合最大のアクシデントである米倉の負傷が10分過ぎに発生。ジェソクが軍事訓練で不在のため、コンちゃんを右のSBに廻さざるを得なくなり、中盤の底には替わって入った井手口を投入。この井手口がボールに食いつき気味となり、なおかつ守るべきスペースへの戻りが遅かったためクロス対応等が間に合わず、試合は一気にわからなくなりました。
 柏木がいたなら、彼のエスプリで空いたスペースを衝かれてガンバが決壊(失点)していたかもしれません。また、準決勝の相手であった広島ならCBから縦にボールを通せるので、面倒な場面がいささか増えたでしょう。しかしながら、レッズに彼に替わりうる人材はおらず、またチームとして井手口のつくるギャップを衝く仕掛けもできず……結果として、レッズはガンバの誘導にまんまと嵌まり、バイタルエリアに橋頭堡を作ることができませんでした。

 そのためにガンバは守備に大きな破綻をつくらないまま時間をやり過ごし、カウンターでパトリックがレッズ守備陣をぶっちぎり先制。一度は追いつかれるもいつも通り耐え忍び、後半8分にCKからデザインプレーでパトリックがドッピエッタを決めてリードを得た後は、ズラタンと関根をすかさず投入してきた相手の交代策に応じて宇佐美と秋をポジションチェンジし時計を進め、最後は機を見て内田達也を投入。その後、パトリックと遠藤が決定機を逸したり、抜群のチェイスで後ろを助けた途中出場の長沢の抜け出しがオフサイドになったり、終了間際に――ホイッスルの準備に入ったと思われる村上主審をも慌てさせる――ジョンヤのヘナチョコクリアから槙野に決定機を献上したりしましたが、東口の見事なポジショニングとセービングで逃げ切ることができました。
 相手に与えた決定機は宇佐美(録画を視るとこの試合全体を通じてはきっちり攻守を流れるように切り替えプレーできていたと思います)の一瞬の迷いからサイドを割られての失点と、最後の……ええっと、誰でしたっけ、「スパイ」(via下薗さん)のやらかしからの槙野のシュートというミス絡みのそれら2本だけ。ちょっと惜しかった李のヘディングを入れても都合3本で、決定機の数でもガンバが上回っています。
 ゆえに、1週間で3試合というお上からの無茶振りで起こり得る疲弊や制限にも、試合中の様々な局面やアクシデントにも、個々がチームとなり最大限の精度で応対しきって渇望を具現化させた、会心の勝利と言ってよいと思います。
 翻って浦和には、ガンバと比べるとそういった対応力や精度が足りなかった、それゆえに勝てなかったのだと味スタで感じました次第。対応力の欠如は一本調子ながらも数の暴力で攻めきるというやっているサッカーの基本設計上致し方のない面はありますが……「全部だ、全部よこせ」と闘い続け全てのコンペティションで後一歩までたどり着いたガンバの方が、ファイターもといチームとして上手になっていたということなのでしょう。

戦い済んで
 こうして、苦しくも楽しかった2015シーズンで無事タイトルをひとつ確保し、名も実も得て2016シーズンに繋げることが出来ました。というわけで皆様、本年もよろしくお願い申しあげます。
 そして何より、偉大な男をタイトルとともに送り出せたこと、そういうことができるチームであること、またそういうチームをサポートできることを、誇りに思います。ありがとう、明神智和。
〔以下、小生は年甲斐もなく涙腺崩壊していたので弟にもらった写真をぺたり〕

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14.Juli.2015

2015 J1 2nd-第1節 ガンバ大阪 2-1 ヴァンフォーレ甲府

 相撲でいえば徳俵でうっちゃり、ボクシングでいうとガードなど構わず殴り続けて最終ラウンドストップ勝ち。いやあ、しんどい試合でした。

 そうなってしまった原因はというと、「鉄壁」を称するにはいささかお粗末ではあるけれども、ガンバの休み明けとしてはありふれた事態ともいえる、選手間の意思疎通のミス。それが10分経過しないうちにCBとSBの間で起きてしまい、そこをキレキレの阿部拓馬にドリブルで衝かれてあっさりと失点したこと。前半の半ば過ぎからはしっかり調整をして阿部拓馬を消し、後半は(システム変更により前の守備が弛んでいたことを考えると)東口から逆算した守備がきっちりとできていただけに、残念といえば残念なミスでした。そしてこの先制ゴールにより、甲府は5バックでサイドに蓋をしつつ塹壕を築いてカウンターを当てることに専念できるようになったのですから、苦戦はやむを得ません。

 そこで、ガンバは勝つために前半早々に基本陣形をさっさと変更。ヤットさんとSBをそれぞれ前に出してSHをトレスボランチの脇に配置。結果的にこれが当たり、個々の過重労働と引き替えではありますが勝利を呼び込みました。
 いやはや、サイドの循環に問題を抱えがちなチームなのでどうするかなと思いながら視ていましたが、これなる監督の策は「力業」と称すべき采配でした。相手は堅いとわかっているので、いつもの4-4-2でのサイドの組み立て――ただでさえ今季は相手に最も使いやすい場所を塞がれてうまくいかないことが多い――に現状の力量で拘りいたずらに時間を費やすよりは、あらかじめ遠藤を前に置くことで、彼の経験と技術を恃みに相手のバイタル付近に動く橋頭堡を設けてしまえ、というサッカー。
 攻撃は、そこから多少距離が広めでもSBやSHとのトライアングルを作りつつ、戦術兵器宇佐美やパトリックによる右サイドの地ならしを見せ、相手のCB-WB-CHの間を突っつきながら崩しを狙う。守備は、相手の選手層を計算に入れてのことかもしれませんが、元々のサイド勢に長めのネガティブトランジションで頑張ってもらいつつ、核となるGKとCBのトライアングルにコンちゃんマンのヘルプでなんとかする。
 疲れの見える遠藤をフル出場させられないくらい強引な戦い方でしたが、全員が本当によく頑張ってくれました。甲府を相手に0-1をひっくり返せたのは、勝ち点3以上に大き
いことだと思います。
 なお、コンちゃんトップ下という策もあったと思いますが、監督は相手とスコアを考えてヤットさんにしたのだと思います。4-3-1-2の3の真ん中はレジスタではなく、フォアリベロ・疑似3バックのような味付けでした。

 ただ、このやり方は強引であるが故に、下記の通りおいそれと濫用できるものではないでしょう。何せこれから本格的な夏ですしね。
 ゆえに、今後は、強烈なインサイドの4枚、2トップと中央のベテランコンビを活かすためにも、第一選択を塞がれても外外の組み立てをやり通せるだけのチームになっていってほしいと思います。そして、外外の組み立てにおける最大の問題はレギュラークラスのSHがブレイクスルーできずにいること――時間限定でフタさんを使えばある程度は解決しますが、監督は若手のそれを期待して待ち続けていると思います――であるように思いますので、アジアを制しかつ世界に近づくためにも、SH勢には一層の奮励努力を期待したいと思います。
 そうして勝って成長していって、昨年の再現プラス亜細亜登頂といきましょう!


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