August 2014

25.August.2014

2014 J1第21節 ヴァンフォーレ甲府 3-3 ガンバ大阪

 ぎりぎりまで悩むも体調に違和感があったため甲府入りは自重しましたが、現地組の皆さんは、いやはや、突如ジェットコースターに乗せられてそのまま帰されたような試合、お疲れ様でした。
 見返してみると、ポイントは以下の3点でしょうか。特に一番目が大きかったと思います。
・守備固めを求めるがあまり守備が固まらなかった宇佐美の交代
・岡崎のスタメン起用
・ ビルドアップと守備のズレ
 なお愚生は案の定土曜の夜遅くにヘルペスが出来、むずかゆくてよく眠れませんでした。夏休みおくれ。

 さて、結果として3-3の引き分けに終わった試合ですが、負けパターンにはまり込んでいた前半を、ハーフタイムでの交替と個の力でひっくり返したまでは良かったと思います。
 二川が前線でシンプルにはたいてリズムを作ることで間隔が整頓され、その流れから宇佐美の強烈なミドルシュートで同点に追いつき、宇佐美が倒されて得たFKが相手のハンドを呼び込んでPKになり、それを遠藤がきっちり沈めて逆転。甲府から2点(最終的には3点)挙げたことは、ガンバの秘めたポテンシャルを象徴するような、充分な成果です。
 けれどもその後、この試合最大のポイントである守備固めで、かえって守備が溶解しきってしまい再逆転をゆるしたのは、監督のお手つきとされても致し方ないでしょう。守備を固めるのは常道であり間違いではありませんし、甲府の終盤の2得点はいずれも「クリスティアーノが外してそれが枠内に入るか」というものでしたが、一方でこの日のメンバーを考えると、怒濤の2失点は「固め方」を間違えてしまったゆえの出来事と思います。
 
 得点力と行ける範囲でのボールホルダーへのチェックを以て抑止力と成している宇佐美を下げるなら、(もしかして練習でやっていないのかと勘繰りたくなる)闇雲に下がるだけで自陣エリア付近まで「どうぞどうぞ」としてしまう3、もとい5バックではなく、DFの枚数は変えずに組織の安定を図り、そのうえで得点力に代えて走力で前線の抑止力を担保するべきだったように思います。
 生中継で丹羽が映ったとき、個人的には少し脚にきてそうな西野、もしくは水曜日にほぼフル出場だったフタさんの守りを考え、専守防衛からのフィード飛ばしに徹させる意味で藤春かなと思いましたし、録画を見直してみると、彼を入れるなら守備の理解に不安のある藤春が妥当だったかな、と。
 ところが、実際は宇佐美に替えて丹羽で、藤春のポジションを動かすというものでした。これにより藤春が――役割変更で混乱したのか――行くのか引くのかはっきりせず完全に「浮いて」しまい、かつ前線の抑止力がなくなり、結果として上述のような守備になってしまったような気がしてなりません。
 
 ゆえに、スーパーゴールとされる2失点目、3バックの中央をつとめる山本によるロングシュートについては、盛田のいない相手のスローインに対してどん引きが過ぎて誰もいけなかった、ガンバの前線の抑止力が足りてないので山本が簡単に上がって行けた、という側面を無視してはいけないと思います。なお、このシュートへの東口の対応についての感想は下記の通りです。もうちょっと何とかなった、代表を目指すならそうしてほしかった、彼の存在が頼もしいからこそ、そう思います。

 とにかく、かえすがえすもこの2失点目は痛かったですね。これで落胆したのか一気に流れをもっていかれ、一時は敗色濃厚となる3失点目を立て続けに決められてしまいましたから、尚更です。
 なお3失点目については、最早守備にいけずにファーで何人も待たれていたので上げられた瞬間終わりでしたが、西野がもう少し踏ん張って対応してくれればコーナーに逃げられたボールだと思います。もっともっと精進してくれ、西野。

 ただ、そこから選手が一念発起で前に出て、パワープレー要員パトリックが居たのを思い出し、彼の頭を中継点として活かしきっての倉田のダイビングヘッドで追いついたのは勝ち点1以上の収穫でした。
 これまでガンバのパワープレーといえば正直なところ白旗とほぼ同義といった趣でしたが、動きながら合わせられる質のいいボールを上げられれば高確率で競り勝ち落としてくれる彼の頭は頼もしい武器です。今後は追い詰められたときはもちろん、相手に裏抜けだけではないと思わせるためにも、この試合でコンちゃんが上げたようなボールを前半から積極的に使っていいのではと思います。

 さて、どうしても最大のポイントに多くの文字を使ってしまいましたが、その他のポイント2点については簡単に。
 
・岡崎のスタメン起用
 リンスがスタメンだと予想していたら岡崎だったので、最重要課題である守備をこなしたうえでどんなプレーをしてくれるかと期待していましたが、大森、阿部やリンスと比べると切り替え面でもフィジカル面でもスピードに乏しく、うまいこといかずに前半で交代。結果としてそれははかなくも裏切られてしまいました。
 1失点目は(遠藤のプレーも俎上に載せられるでしょうが)彼に石原をしっかりと掴まえておいてほしかった。また、ゴール前に飛び込んで顔を出すシーンこそありましたが、中盤で身体を張ってボールを確保しリズムを産むようなプレーが少なかったのも残念。
 今のやり方を考えると彼のサイド起用は難しく、インサイド、遠藤のサブという役割になってしまわざるを得ないのかもしれません。サイドで生きるなら、切り替えを早くしたうえで二川のキープ方法、身体の入れ方を参考にしてほしい、そう思います。

・ズレが目立ちはじめたビルドアップと守備組織 
 一度途切れた良い流れを取り戻すのは容易ではないと、名古屋戦後誰しもが懸念したかと思いますが、上記についてはその通りでした。
 ビルドアップについては、藤春起用時はそこで邪魔を入れてボランチとの交通を遮断し、「紛れ」を起こさせるのが相手チームの常套手段になっているので、今後彼がスタメンの場合は、まず彼のスピードを最大限に活用してビルドアップから裏を取れるよう、監督が新たな方策を講じる必要があると思います。守り方にも手を入れることになりそうですが……
 そして連勝の礎となっていた守備。大森に続いて阿部とジェソクまで離脱したとはいえ、58分のお見合い――東口が素晴らしい処理で事なきを得る――や、73分のクリスティアーノの決定機――米倉の鬼気迫る絞りに気圧されてか、上に外す――に象徴されるように、ただ下がってボールを見せられているうちにマークの受け渡しをミスしてしまい、真ん中にフリーの相手選手をつくっている、そんな状況が多いのが気がかりです。
 この先上位と対決していく際、このままの調子ではかなり難しい試合が増えてきてしまうと思いますので、怪我人の具合によっては内田裕斗の抜擢を選択肢に入れる必要があるのかなと感じます。ナビスコカップのプレーを鑑みれば、彼は充分対応できると思います。

 8月最後はホームの新潟戦。レオシルバと大井が出場停止なので、課題を克服しつつ総力戦で勝ち点3をとって勢いをつけ、大事なカップ戦へと向かいましょう。


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17.August.2014

2014 J1第20節 ガンバ大阪 0-1 名古屋グランパス

 アウェイの仙台戦といい、魔境味スタといい、ここでノっていこうというところで自ずから転けてしまっていた感のある今年のガンバですが、二度あったことは三度ありました。スコアこそ0-1でしたが、パトリックのハンドはPKをとられて然るべきものでしたし、東口やポストにも助けられましたから、完敗と言って差し支えないと思います。

"Never change a winning team." - Sir Alfred Ernest "Alf" Ramsey

 敗因は、直接的には失点シーンでのヤットの軽い守備ですが、遠因といいますか、敗着は監督のお手付きというべき藤春のスタメン起用にあるでしょう。イングランドをW杯優勝に導いたラムジー監督の成句の通り、勝っているチーム、それもその土台であった米倉、西野、岩下、オ・ジェソクの4人に手を入れたことが、この日は結果としてとことん裏目に出てしまいました。
「レアンドロ・ドミンゲス対策」と監督は試合後言及していましたが、それはこちらの守備面ではなく、レドミがハードな守備をしないので、彼のスピードをもって相手の右サイドから攻略しようという攻撃的な意図だったように(個人的には)感じます。

 ただ、開始早々にサイドを駆け上がりパトリックにクロスを入れてシュートがバーを叩いた惜しい場面以外では、守らせたら手堅く、さらにバイタルにはダニルソンが控えており、もはや急造ではない相手右SBの矢野貴章にシャットアウトされてしまい、後半は逆に矢野の上がりと川又投入で一気に攻め立てられてしまいました。
 本当の攻めどころである左SBの本多――実際、僅かに外れたパトリックのヘディングやポストを叩いた宇佐美の惜しいシュートはこちら側から――にもっと圧力をかけ、ダニルソンを本多側に引っ張ってくるような攻めが出来なかったことが悔やまれます。そういった点からも、まだコンビネーションは未完成とはいえ右に寄るパトリックを助ける位置に上がって飛び出せる米倉の不在は痛かった。

 そして、守備だと離れすぎ(絞れない)、攻撃だと近づきすぎる(三角形を描けない)、そんな藤春が攻守にわたり「ズレ」を頻発させることで、(相手、とりわけ永井の奮闘と相まって)徐々にガンバのラインは下がり、スピーディな展開は影を潜め各駅停車のポゼッションサッカーになり、FWのふたりの守備にまで混乱をきたしていたように見受けられます。結果、敗戦。砕けた表現で書いてしまいますが、「頼むよハル、ベンチで何を見てたんだ。監督、出来るようになったから使ったんじゃないんですか。あちゃー」と思いながら視ておりました次第。
 藤春は次のスタメン機会で、この名古屋戦を糧に成長した姿を見せてくれ。頼みますよ。

 こちらこそスタメン変更を考えるべきだったかもしれないと思わせる両サイドハーフの疲労具合や、これまでと違う後ろの構成に対応できなかったFWと中央のMFなど、勢いを自分たちで殺いでしまった原因は他にもあります。しかしながら、守備から作り上げ勝ち取った5連勝であった分、ベストでぶち当たって負けるのではなく、良い形を自ら崩して突きつけられたこの日の敗戦は、残念でなりません。
 というのも、「ロスタイムは7分です。」のこ~さんの仰る通り、監督が弄ってハズレと出たあと、戻しても上手くいかなかったりするのがサッカーの怖いところ。さらに、今週は水曜日に天皇杯の徳島戦を戦ったあと、中2日(!)でアウェイの甲府戦というハードスケジュールです。ここで躓きたくはありませんでした。
 こうなってしまった以上、まず天皇杯は――お互いのメンバー構成がどうなるか、出たとこ勝負という側面もありますが――ホームでやる以上、勝たねばなりません。そして、土曜日には残留を確固たるものにするべく、必勝を期して難敵・甲府に臨み、勝ちましょう。監督の、捲土重来を期してのマネジメントに期待します。


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14.August.2014

2014 J1第19節 大宮アルディージャ 0-2 ガンバ大阪

 いかに箱根の山が天下の嶮であったとしても、いくら何でも苦手にしすぎていた関東アウェイで久々に勝利。それも「来た、見た、勝った」と故事成句を独りごちたくなるような快勝。8月上旬とは思えないとても過ごしやすい気候でしたし、台風の影響におののきながらも、大宮まで馳せ参じた甲斐がありました。

 試合内容はと言いますと、コンパクトにして押し上げようとする大宮を相手に立ち会いふわっと受けた形となり、ムルジャに少し危ないシュートを打たれたものの、その後は攻守をそつなく切り替える連勝中のサッカーでペースを握り返し、裏抜けでスペースを押し広げセットプレーで圧力をかけると、27分にそのセットプレーからコンちゃんが先制ゴール。その後も優勢のまま試合を進めると、後半立ち上がりには組織だったカウンターで一気に敵陣深くまでボールを運び、パトリックが今井のミスチャレンジを持ち前のフィジカルで軽く受け流してから宇佐美にラストパスを送り、それをエースが天井ぶち抜き弾で沈めて2-0に。
 以後も、(得点にこそ繋がらなかったものの)効果的なカウンターを当てながら、時にはポゼッションで脅しをかけて相手を疲弊させ、一方で大宮の攻撃はしっかり選手間の距離を詰めて弾き返すガンバ。結果として、立ち上がりのムルジャの突破以外に自軍のゴールを脅かされたのは、前半終了間際の和田が放った意外性あるミドルシュートくらいで、組織で崩されたシーンはありませんでした。そして、そんな個の力で放たれた危険な枠内シュートは全て東口がしっかりと処理してくれたので、大事には至らず。
 ということで、無失点のまま試合終了の笛を聞くこととなりました。

 ガンバについては、連勝中通りの試合をやってのけただけなので、あまり書くことはありません。強いて言挙げするなら、立ち会いからきちっと当たって、がっちり組み止めて圧力をかけながら武器であるカウンターとセットプレーを当てていけるような、そんなより隙の無い試合作りを意識してほしいな、と試合後に感じたことくらいでしょうか。そうすれば、さらに強いオールラウンドなチームへと成長するのではないかな、という気がします。
 なお、勝敗を分けたのは個々の切り替えの速度と持続力の差で、それが顕著に表れたのがカウンター時の流れでした。
 パトリック(交代後は佐藤)や米倉、倉田のランに合わせる長めのボールを織り交ぜながら、テンポ良く選手が絡んで相手が被カウンター状態のまま攻めきろうとしていたガンバに対し、大宮はどうにも途中でペースが乱れてそのまま速度がダウンしてしまい、結果としてガンバの思惑通り「堅いガードの上を殴らされる」状況になっていた印象です。
 その原因は、もちろんガンバが個人としてもチームとしてもしっかり対応できていたことが基礎にありますが、それに加えて家長の使い方に問題があったように思います。
 攻撃ではボランチに球出しが出来る人間がいないので、必然的に配球役を買って出ざるを得なくなり初動ポジションが下がってしまう。他方、守備では透明人間となってしまう悪癖がどうしても顔を覗かせ、結果としてズラタンに過剰な上下動を強いていました。
 家長に賭けるのなら、彼には前でドリブルと(強力な東欧2トップへの)クロス供給役に徹してもらい、チョ・ウォニとカルリーニョスで組ませるというのはどうだろう、と感じました。
  
 さてさて、ガンバはこれで再開後5連勝、気がつけば勝ち点30の5位で、降格圏内とは11ポイント差。無論、まだ残留が決まったわけではありませんが、これでとりあえずは選手もスタッフもサポーターも過剰なプレッシャーに苛まれることなく、1試合1試合を上を見ながらしっかり戦っていける状況になったと思います。しっかりと勝てる試合をモノにして、勝ち点を積み上げていきましょう。



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5.August.2014

2014 J1第18節 ガンバ大阪 2-0 横浜F・マリノス

 3連勝で意気軒昂、いざこのまま連勝を、と万博にて難敵マリノスを迎え撃ったところ、「やっぱり」と言いますか、マリノス戦らしく試合ごと「塩漬け」にされてしまったガンバ。特に前半は塩分濃度が濃すぎたためか、公式の試合速報が30分まで暇をもてあますという有様でした。

 そんな手堅いマリノスの守備はというと、パトリックは引き気味のラインから堅牢なCB陣が外に追い出し、宇佐美は小椋を中心に複数人で囲み、米倉の上がりは齋藤 学が押し込むことで回数を減らすように仕向ける。怪我明けの下平も、ポジショニングでスピード勝負に持ち込まれないようにしていました。マリノスとしてはその分攻撃の初動が下がってしまうのも織り込み済みだったのでしょう。敵ながら天晴れ、実にうまいこと分断されてしまいました。
 ただし、こちらの守備は5月3日の試合とは異なり相手の攻撃をしっかり封殺しており、危険なカウンターを中央で許すような場面はなし。セットプレーの守備も新戦力のでっかいブラジル人をニアに立たせて相手の選択肢を狭めることで、決定機はほとんど与えませんでしたね。上手く回り始めたガンバの根幹に、監督が追求してきた「守備の堅さ」があることを実感できました。
 唯一、怖さを感じたのは齋藤学がヒールで流した場面でしょうか。あそこをどんぴしゃで撃たれていたらひょっとしたかもしれませんが、それ以外はそつなく守れていたと思います。

 というわけで、土俵中央、少しガンバが前に出た状態でがっぷり四といった趣の0-0が続く、(一見さんにはお薦めしかねる)渋い試合となったのですが、それをものにしたのは「1枚のイエローカードへの対応」と、攻守両面におけるセットプレーの向上でした。

 後半、互いが徐々に試合を動かし始めた52分、齋藤に裏を取られて思わず後ろから引っ張り倒した米倉に、飯田主審は躊躇なくイエローカードを提示。これを看過できないと即座に判断した監督は藤春の準備を急がせると、64分、米倉をベンチに下げて彼を投入し、ジェソクを右にまわすことで守備の重心を右に移動して齋藤を封じにかかりました。
 というのも、何せ相手は中村俊輔を擁するマリノス。ガンバの守備陣が小気味よいドリブラーである齋藤と対峙するにあたり、タッチラインに追い出して相手のスローインもしくはFKから再開するのと、切り込まれて直接狙える位置でFKを与えるのとでは、失点する危険度が全く異なります。それに、もちろん、彼にSBを躱されてボールを見せられながらエリア内に侵入されたら、いくら中央が堅固といえども流れに対処しきれない可能性があります。
 よって、監督としては試合前から念頭に置いていた交替策かと思いますが、それがイエローカードにより早まったのではないでしょうか。
 この采配にジェソクがしっかりと応えて仕事をしてくれたことにより、爾後右サイドが大きく崩されることはなく、相手の攻撃はブロックの前で対応できるように仕向けられ……チーム全員が最後まで走りきることのできる状況をたぐり寄せたと思います。この采配は大当たりでした。

 そして、藤本や少しごつくなったラフィーニャの投入にも動じず、セットプレーは前述の通り無難に守り、我慢してカウンターを当て続け、やっとの思いで掴んだ待望の先制点は82分のこと。
 敵陣中央でボールを受けた宇佐美がドリブルで仕掛けて中澤を抜くことでファウルをもらい、ゴール正面右寄りでFKを獲得すると、藤春を横に立たせた遠藤がふわりとした浮き球をゴールエリア付近に布かれた相手DFラインとGKの間に落とし、それをパトリックが強いヘディングシュートにして枠内に発射。ボールは必死に伸ばされたGK榎本哲也の手を掠めてネットを揺らしました。
 よくよく見るとファーに居る岩下が合図を送った直後に蹴って、パトリックが真ん中に走り、岩下が戻りながら栗原にしれっとスクリーンプレーをかましているので、試合後のコメントからもうかがえるように、とてもいい練習が出来ている――そして何より、前半戦とは異なり練習を試合で結果として出せる可能性が高い強力なターゲットがいる――のだと思います。お見事でした。

 その後、宇佐美を下げて明神を投入し、さあ適宜カウンターで攻めつつクロージングへ、という流れの中、89分にガンバは試合を決定づける追加点を獲得します。
 相手のゴールキックに入ったばかりの明神が鋭く反応してダイレクトでパトリックに出すと、彼が下がりながらキープして岩下に戻す。そこからはダイレクトかワンタッチで藤春、明神の浮き球パス、フタさんヘッドパス、コンちゃん、フタさん、コンちゃんと繋ぎ左サイドでつくって藤春を走らせると、そこにコンちゃんがパス。ハルがドリブルで相手を引きつけてからパトリックや阿部を飛ばして逆サイドにフリーで走り込んできた遠藤に出すと、遠藤がゴールにパス、という素晴らしい得点で駄目押し。
 南米っぽい、とても爽快なビルドアップからの痛快なゴールのおかげか、前半とりわけ濃厚だった塩分は、いつの間にやら我々にとってちょうど良い塩梅に加減されていました。そんなこんなで、ガンバは(健太渾身のどや顔とともに)4連勝を確実なものとしました。

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 その後はきっちり無失点で試合終了。マリノスを向こうに回して、こういう勝ち方が出来たのは本当に大きい、チームとしてのさらなる成長の糧になる勝利だと思います。
 次の大宮に勝って5連勝とし、勝ち点を30まで積み上げれば、徐々に上も見えてくるはず。
 そして、準々決勝の対戦相手が神戸と決まったナビスコカップ、天皇杯ともども、出来るだけ、上へ!
 


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1.August.2014

2014 J1第17節 ヴィッセル神戸 1-5 ガンバ大阪

 終わったところでちょうどリーグ戦がひと回りして折り返しとなる7月の3連戦、その3戦目を連勝してアウェイの神戸戦を迎えたガンバですが、結果は5-1の圧勝で見事に3連勝を達成。いつの間にか、降格圏の甲府・お隣に6ポイント差をつけ、8月の5試合に向けて確かな自信とほんの少しの余裕を得ることが出来ました。

 試合内容の詳細やゴールシーンについては既に多くの皆様が書かれているので、「PJは退場が相当でしょ、岩下兄貴が止めに来るなんて相当ですよ、主審も副審もとんだ唐変木ですね」と呟くだけで省かせていただき、後半戦の新生ガンバについて雑感を。

・パトリックとセットプレー
 監督としては、期待しているタスクは前半戦の佐藤起用時と似たようなものと推察します。裏抜けを基本とすることで相手のDFに背中側を意識させてラインを圧し下げ、宇佐美に時間的余裕と多くの選択肢を持たせ、中盤とSBが使える時間と空間を増やし、フィニッシュに絡む役目です。
 ただ、本質的にワンタッチストライカーのプレーだった佐藤と比べ、FWとしてのプレーに幅があるなあ、と思います。サイズの割に初速が速いうえ、ボールキープ時は無理をせず味方を待ち、攻守にしっかり走ることが出来る。そしてヘディングが強くてなかなか上手い。ちょっと雑なこともあるパス――ただし、アシスト時のような強いパスが出せるのは好印象――と足でのシュートはご愛敬。
 ショートパスと斜めのランの連続で崩し、頭を狙うクロスの少ない川崎には合わなかったものの、シンプルに出すことでパスのテンポを変えつつ相手DFラインに圧力をかけ、かつヘディングも積極的に狙わせる使い方をするガンバには合った、ということでしょう。ピッチの右半分が主戦場なので宇佐美と被らないのも、彼が利いている要因だと思います。
 そして特筆すべきは、彼の加入により劇的に向上したセットプレーの攻撃。
 2人のCB(現在の基本セットは岩下と西野)以外にめぼしいターゲットが存在せず、結果としてコンちゃんあたりが第3ターゲットを担当せざるを得なかったのが前半戦でしたが、パトリックが入ることで様相は一変。中央に強烈な一枚を配することで、3つの塔でゴールエリア全体に満遍なく選択肢をちらつかせつつ、コンちゃんを筆頭に他の選手を遊撃隊として使えるようになりました。
 神戸戦の4点目のように、ターゲットふたりがニアと中央に走ってゾーン破りをかけても岩下がファーに居るのは、相手にとってみればかなり難しい状況ですが、そういう状況を随時仕掛けられるようになったと思います。
 今後、パトリックの裏抜けには対策が施されていくでしょうから、流れの中の得点だけで大量点とはいかないでしょう。けれども、セットプレーは別です。優秀なキッカー(ヤット)がいて、そんな彼が楽に蹴ることが出来るようになりましたし、球がこぼれた場合宇佐美や阿部といったシューターがいますから、今後も計算できると思いますよ。(やんごとなき事情により岩下がいない試合はあるでしょうが)いけるいける。
 また、パトリックはセットプレーの守備でも、ルーカスがいなくなってから不在だったニアの迎撃役として頼もしい働きを見せてくれています。彼がいることでGKとCBはかなり楽になったと思いますし、(CB並に競ることが出来るジェソクが入ったことも相俟って)コンちゃんが早めに回収に向かえるようになり、守備もかなり向上しました。
 パトリックは、とっとと完全移籍させても損は無い、それくらいの存在になっていると思います。

・ジェソクの左SB起用で攻守を繋ぐ~コンパクトにして逆サイドは放置
 基本的な守り方はラインは割と高め、DFもMFもセントラルがアタックに行ったら逆サイドは中に絞ってコンパクトネスを維持しバイタルを埋める。逆サイドに無理矢理振られたらこっちも作り直せばいい。押し込まれてもコンパクトにして最後は東口に任せる。そんな感じでしょうか。
 特に、加地さんの移籍と組織の再整備を経て左SBのレギュラーとなったジェソクは、上にもちらっと書きましたが守備のキーマン。ボールホルダーのみならず、岩下との距離感が抜群なので、絞ったときもサイドで1対1のときも、前から行っているときもリトリートしたときも、「大失敗はない」と安心して見ていられます。
 結果、最後まで守備が粘り切れているのではないでしょうか。甲府戦はクリスティアーノに出し抜け喰らった場面(事なきを得る)以外は封殺、清水戦は文字通りの完封でしたし、神戸戦も流れの中ではPJのヘディング大失敗以外きっちり守ることが出来ましたから(失点は「とらなくても良い」PK)。
 そして、ジェソクはセットプレーの守備でもマークをこなし、(爆発的なスピードはないですが)攻撃時のフリーランもきっちりそつなくこなしてくれているので、監督がまさかの3バック等やり方を変えるか怪我でもしない限りは、今後もスタメンでしょう。
 また、キャンプで磨き上げられたと思しき球際の強さと切り替えの速さに加え、ボール奪取時に剛柔ふた通りの選択肢が用意されているため、カウンターへの移行が格段にスムーズになりました。宇佐美復帰前はそもそも選択肢が(以下自粛)。
 守備のコンセプトと攻撃のコンセプトが、中断と補強を経てやっと噛み合ってきた感じです。
                                                           
・宇佐美の守備
 色々なポジティブ要素の陰に隠れていますけれど、個人的にはかなりうまくやってくれている、だからこそ連勝できていると感じています。前できっちり消せれば、アタック大好き突貫ボール奪取マンことコンちゃんの大活躍が見られますから。
 ただ、相方次第な面があるのかなあ、と。倉田と組むと、もともと2人とも左サイドに寄りがちなので互いの関係が上手く整理できていない場面が多く、他方、パトリックとは上手くいくようで、相方の位置を考えながらコースを消せていると思います。あと、課題としてはスタミナですかね……これは試合をこなせば配分できるようになり、90分維持することが可能になると期待しています。
  90分動きを維持し、誰と組んでも連動できるようになれば、彼個人もチームもさらに飛躍できると思うので、頑張れ宇佐美。

・西野成長中
 中断前に闘莉王大作戦という荒行をこなした所為か盛田とノヴァコヴィッチを苦も無く捻ってみせたばかりか、それ以外のポジショニングが向上しハイボールの処理以外のタスクも的確にこなせるようになりつつあります。 このままいくと、今季最も成長した選手になってくれそうです。 

 さてさて、今週末はF・マリノス戦。どうにも苦手な相手ですが、ゆえにここを勝てれば怒濤の快進撃といけそうなので、勝って兜の緒を締め続けられるようにいたしましょう。 


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