September 2014

26.September.2014

2014 J1 第25節 清水エスパルス 0-3 ガンバ大阪

試合の流れ
 16時開始のダービーから中2日の14時開始で、おまけに秋晴れというか残暑晴れという陽気の中での試合、さらには冬芝が蒔かれパススピードが上がらないピッチコンディション、といった諸々の状況を考えると、運動量やプレー精度にいつもの水準を求めるのはいささか酷と言うべき試合でした。ゆえに、おつとめ出場停止明けの岩下は当然として、佐藤と二川、藤春をターンオーバーで先発に起用し、中3日での鳥栖戦を見据えてパトリックと倉田をベンチ、体調不良の米倉を完全休養とさせた采配は納得できるものでした。
 その甲斐もあってか、疲労は滲ませながらも安定した戦い方でゴールに鍵をかけ、宇佐美の個の力(通常営業) で先制。前半はバランスのいい戦い方が出来ていたのではないでしょうか。あえて注文を付けるとすれば、もう1~2点取れたかな、というところくらいでしょう。
  
 ところが、1-0でリードして迎えた後半の開始から7分ほど経過したあたりで、大前のシュートを足首でブロックする形となった右SBのジェソクが負傷交代となり、右SBがベンチにいない守備陣はスクランブル状態になってしまいました。ここでの監督の選択は、正也を入れて丹羽を右SBに出すというもの(同時に二川を倉田に替えてサイドの守備を補填)。
 このようなアクシデントがあると、昨年までなら守備が崩れてしまい、清水が一気呵成に流れを奪って同点、あるいは逆転へと事態が推移していったかもしれません。しかし、この日のガンバは数分の調整を経て、守備面では緊急事態をそれほど感じさせない組織を取り戻せていたと思います。
 
 実際、前からくる清水に対して攻撃面ではつなぎで細かなミスが出てしまい、押し込まれる形となっていたのは確かですが、ダービー同様中央はGKを基点にきっちり締めていたので、本当に「危ないな」と感じる場面はほとんどなし。個人的に肝を冷やしたのは、正也と岩下の間をCFにとられてシュートされかかった、81分のノヴァコヴィッチのヘディング未遂――わずかにクロスが合わず――のみでした。
 それから数分後にセットプレーから丹羽のヘディングで加点し、終了間際には仕上げのリンスで3-0。そういう展開ゆえ、余計にその唯一の危ない場面は印象に残っていますが、そもそもそれくらいだったのですから、「辛勝その実完勝」と言って差し支えないかな、と思います。

試合のポイント
 ポイントはやはり上述の「緊急事態でも崩れなかった守備組織」にあると思います。
 なお、ジェソクの負傷は、間延び気味の前半とは打って変わって全員が前からきていた清水に対し、監督がパトリックと倉田を同時投入しディフェンスラインを圧し下げることで試合を決めてしまおうとしていたまさにその時のことでした。
 結果として監督の意図した「最善手」とは180度異なる手を打つ破目になったのですが、それでもこれだけの試合が出来たのは、チームが充実している証左でしょう。ジェソクは無茶をせずに、しっかり治してほしいと思います。

ゴールを振り返る
 1点目は21分、右サイドでボールを持った宇佐美が囲まれながらも佐藤とのワンツーを通してバイタルへ侵入すると、そのまま相手守備陣にボールを見せながら横断して、DFの股を抜いてファーサイド(元いた右サイドの方)に沈める見事な精度のシュート。試合後のインタビューによると、阿部の動き出しが合っていなかったこと、DFの股が開いていること、それらを視認したうえで狙い通りに点を取ったとのこと。もの凄いことを普通にやってしまっているので、ただただ敬服するほかないです。
 
  2点目は83分、右サイドペナルティエリアの角付近でリンスがファウルを受けてもらったFKを、遠藤がファーに送り込んで丹羽がヘディングで叩き込む形。途中から不慣れなポジションを受け持ちながらきっちり任務を果たした熱い漢が、試合を決定づける、相手の心をポッキリと折る得点を挙げるという、サポ冥利に尽きるゴールでした。ドフリーにした清水の守りのミスは言うまでもありませんが、丹羽と同じポジションから始動した岩下兄貴がしれっと1.5人ブロックして、その裏に漢が走り込んでいるので、練習を上手く試合に活かしている証といえるゴールでもあると思います。
 
 そして3点目は94分、エリア内で宇佐美からパスを受けた「仕上げのリンス」。
 昨日上のように呟いていましたが、何度見返してもその考えは変わりません。
 そのまま縦にドリブルしてファー、もしくは天井か股抜き――フリーでも、位置を考えると確率は低い――という常道を狙うのではなく、エリア内ゆえおいそれと接触できないこともおそらく頭に入れながら、ファーストタッチで中に切れ込み最初のDFを外すと、そこでスペースが見えたので急加速してふたりのDFの間を割る。そうして手に入れたのはよほどのことが無い限り枠を外さないであろう空間と時間で、ふかさないようしっかりボールを押さえたシュートでゴール。お見事でした。
 概して忙しいJリーグのリズムに慣れさえすれば、自分の技量と(日本人にはなかなかない)感覚をもっともっと活かせるでしょうし、最近のプレーをみるに、シュートの打ち方もコンパクトになってきたような。守備の出来るサイドアタッカーは今のガンバにとって重要ですから、本当に期待していますよ、大爆発と契約延長。
 それにしても宇佐美のバンザイはいい感じで佳かったですね……ロングパスで一気にタッチダウンを確信したQBみたいでした。

 これで勝ち点43。まずはリーグ戦でACL圏内確保を目指して、上位対決を勝ち進んでいきましょう。もちろん、カップ戦2つも忘れずに。

おまけ 
 SATO
 この試合の裏ハイライト、キャプできなかったので携帯撮りでつくってみました。


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22.September.2014

2014 J1第24節 ガンバ大阪 2-0 セレッソ大阪

強い方の大阪選手権試合
(王 者)ガンバ大阪 2-0 セレッソ大阪(挑戦者)
*王者が貫禄の防衛

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(弟が撮った写真から借りました)
 
 美しいコレオグラフィ、素晴らしい応援、頼もしい監督と選手たち。そして何よりも最高の結果。とても佳いものを堪能できました。ホームで勝つのは3年ぶりということもあり、試合終了直後は(皆様も然様であったかと存じますが)まさに下記の状態。
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 いやはや、ダービーでの勝利は格別でございました。

試合の流れ
 前半は大方の予想通り、永井と杉本の国産2トップにして前からボールを追いかけてくる相手に対して、ガンバはバックラインが焦ることなく、中央のMFと東口を活用しつつボールを廻して相手を走らせ、折を見てパトリックが丸橋の裏のあたりをつつく、というかどつき倒して相手をさらに走らせる展開。この基本戦略、監督としては、選手を替えつつ試合終了までまずまず思い通りに運べたのではないかと思います。
 一方ガンバの守備は、全員がしっかり切り替えることで真ん中を締めながらサイドに寄せ、サイドチェンジには落ち着いて応対し、カウンターを受けそうな場面はサイドのMFが疾風のように飛んできて未然に防ぐという、いつものやり方が出来ていました。
 そしてガンバが何度か決定機を作りつつ、阿部(間違いなくこの試合のMVP)のゴールで先制すると、相手は後半頭から杉本に替えてフォルランを投入。前半の半ば過ぎからは相手のプレスが緩まり、ガンバが容易に前へと運べるようになっていたので、大熊監督は失点覚悟で彼を早めに起用したのだと思います。

 ただ、相も変わらずサイドはガンバが攻守にわたり制圧していたので、彼と永井と南野の関係から中央でかつ個で何とかするしかなく、結果として(怖さはそれなりに感じつつも)決定的な場面は作らせませんでした。永井のポストを叩いたシュートも、枠内なら東口が処理できていたでしょうしね。
 しかも、相手の攻撃陣で最もキレのある動きを見せていた永井は78分に何故かカカウと交代。ダービーで、この堅牢なガンバ相手に勝負をかけるなら、いっそのことキムか楠神を下げて新井場ワンボランチの形にし、サイドに特攻をしかけて真ん中を引っぺがすくらいしかないな、と思っていましたが、この辺は大熊さんの経験の無さが顕れた感じです。相手がプレスを捨てたのを見計らい、お疲れのパトリックを攻守に小回りが利く佐藤に替えて細かい動き出しで揺さぶりをかけ、もうひと押しできると踏んで倉田を二川に替えた健太とは、正直なところかなりの差があったかなと思います。
 というわけで、このまま1-0だろうなと思っていましたが、その後、行き詰まった相手に決定的な違いを見せつけるかのように、サイドを崩して真ん中で決定機という形で、佐藤にチャンスが二度到来。80分の一度目はミスしてしまいましたが、ロスタイム突入直前の頃合いに訪れた二度目をきっちりモノにして2-0となり、完全に勝負あり。
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(弟が撮った写真から借りました)

 佐藤はこれで一昨年の万博(2得点)と合わせてダービー3点目。阿部と並び立つダービー男ですわ(一度目のミスを目の前で観てずっこけたのは内緒……その分ガッツポーズして立ち上がったから、許してください佐藤様。

ポイントその壱:チームとしての基礎・完成度の差
 この試合、ガンバは守備の要となるCBのコンビが丹羽と金正也という「現時点ではサブ組」で「いつも通り」ではありませんでしたが、丹羽が稀にビルドアップ時に引っかけたくらいで、守備面ではふたりともほぼノーミスでした。また、以前は守備に難があった感のある藤春も、直近の出場試合ではかなりの進境を示してくれました。
 つまり、「誰が出てもいつもの強度はある程度保証できる」チームが仕上がりつつある、その点で彼我には明白な差があったと思います――それぞれスタイルの違う監督を短期間で取っ替え引っ替えしてしまった彼らにそんなチーム作りは望むべくもない、といえばそうなのでしょうが。
 次がいつになるのか現段階では杳として知れませんが、この試合で見せてくれたチームとしての基礎があれば、当面は負けないのではないかなと感じました次第。
 なお、チームとしての次の課題は、宇佐美不在時の攻撃を煮詰めることでしょうかね。天皇杯では佐藤とリンスを起用して充分機能させたように、監督はその辺も考えてくれていると思います。

ポイントその弐:チャンスの質の大きな差
 ガンバはざっと列挙するだけでも、下記の決定機がありました。
・阿部から上がった丹羽へと繋いだカウンター、彼のパスからパトリックの独走(ドリブルが長すぎてコースを失う)
・丸橋の背中側から裏をとった米倉を見ていた遠藤の斜めのパス、残念ながらヨネがトラップ失敗
・遠藤とのワンツーでボールを見せてから短くドリブルしてボランチを剥がした宇佐美、彼の痺れるスルーパスから阿部のゴール
・番外:宇佐美のドリブルへの対応でPKを宣告しても良いプレー
・右サイドの細かいパス交換で相手を引きつけてからバイタルを経由して阿倍を突破させ、彼のお膳立てから佐藤がシュート(ジンヒョンに防がれプッシュも失敗)
・スローインから崩して相手を下げさせ、空いたペナルティスポット付近に入り込んだ二川のシュート、こぼれ球を佐藤がプッシュしてゴール
 このほかに、阿部と宇佐美にパトリックのお膳立てからミドルのチャンスが一度ずつ。これだけあれば、そりゃあ2点は入りますわね。
 一方、相手は下記の通り。

 ないですね、はい。
 現地で観ていた時は永井のポスト弾に肝を冷やしましたが、映像で確認するときっちりコースは限定されているので、前述の通りそこまで驚異ではありませんでした。そのほかについては、前半の永井のシュートも、東口が弾いた後の準備がきちんとできていましたし、選手たちにとってはジェソクの言うとおりなのでしょう。
 彼我でこれだけの差が出た原因は、ラストパスや守備の差もそうなんですが、その前の段階における個人個人の精度と質の差でしょう。
 オープンなカウンターの場面で出せる質を、遅らされた場面で、どれだけ正確にかつ周りを見て担保できるか。カウンターを容易に許してくれないレベルのチームになりつつあるガンバに対して、相手はその部分が決定的に足りなかったように思います。


 これで勝ち点40に到達ということで、もう下を見る必要はないでしょう。 なお、残留のボーダーラインは現状から類推するに36前後でしょうかね。
 あとは明日の清水戦から、リーグ戦では出来るだけ勝ち点を積み上げられるよう、カップ戦では頂点に立てるよう、ダービーの日のように一丸となっていきましょう。


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15.September.2014

2014 J1 第23節 サンフレッチェ広島 0-1 ガンバ大阪

 
 金曜日の夜の時点でこんなんでした、ということで天皇杯の広島戦についてはお休みということで、すみません。

試合内容雑感
 さて、守備から入るチーム同士がお互いに連戦の最後ということで、最初の1点がもの凄く重要になる対戦になるのではと思っていましたが、はたしてそういう展開に。そして結果は、エースストライカー宇佐美が相棒佐藤の頑張りをきっちりゴールに繋げ、その虎の子の1点をたのみにそのまま試合を閉じきったガンバに軍配が上がりました。

 ガンバは3-1で同じ相手を制した天皇杯同様、中盤を明神が中央にデーンと構えるダイヤモンド型に構成。左の今野と右の阿部はインサイドハーフ気味に動いて、守備時は明神ともども明確に3人のDMFとして運用し、遠藤は前目でコースを切ってからヘルプに戻るというやり方でスタートしました。ブロックを組むときは4-4というよりは4-3プラス1、といった感じでしょうか。
 対して広島はいつも通り、サイドをワイドに使いながらシャドーがバイタルを突く形で攻めてきたのですが、逆サイドは捨てておいてチェンジされたらブロック全体を動かし、シャドーにはCBとDMFで適宜対応し、後半は重心を下げてブロックを4-4気味に運用することで、終了の笛までほぼ危ない場面をつくらせずに試合を終えることが出来ました。
 監督の試合後のコメントによれば「広島対策」ということですが、せっかく上手く運用できたので、今後も浦和など、3バックのクラブと対戦するにあたっては適宜アレンジして採用するのではないかな、と思います。

すごいぞ宇佐美(知ってる)
   密集で粘った佐藤が前へ掻き出したボールにいち早く反応した宇佐美、彼が右足でのファーストタッチでボールをコントロールをすると、そのままトーキック気味に同じ足を素早く振り抜いてグラウンダーで林の腋の下を抜くゴール。いやはやお見事でした。
 広島のGK林はミスと悔やんでいるようですが、普段ああいうタイミングでシュートを打ってくる選手を相手に練習していないでしょうし、腋下はGKの泣き所でもあることから、仕方がない面もあると思います。
 また、佐藤もこのアシストを含め、いい仕事をしてくれました。 飛び道具ことパトリックについては研究されてきた感があるので、このまま調子を上げてきてくれれば、サイズの割に小回りの利くことからレギュラーを奪取できるのではと思います。

広島の後半の戦い方と、それを上回ったガンバの守備
 なお、完封勝利を得られたポイントは、広島の後半の戦い方にもあったように思えます。
 ・ガ)先制したので守備に重きを置くぞと、より4-4っぽく
 ・ガ)FW2人が疲れてきたのでまず佐藤→倉田、ヤット前出しで4-4-1-1風味
 ・広)茶島→佐藤寿人で2トップ
 ・広)山岸→柏で左サイドのアタック力回復
 ・ガ)さすがに疲れの見える明神→内田
  *「今見てきたあれをやりなさい」という健太の内田に対する指導でもあるかと
 ・広)清水→ミキッチで右サイドのアタック力回復
 ・ガ)宇佐美→パトリックでクローズ
 後半のおおまかな流れはこのような感じで、広島がポゼッションして攻めてはいるけれども真ん中をついぞ剥がせないまま時間が過ぎていったのですが、広島の最初の一手が「皆川→佐藤寿人」であったなら、という気がします。
 この試合の皆川は「シャドーの前に立ってるワントップ」といった趣であったため、どれだけ左右に振ってもスライドを繰り返して真ん中は閉めていたガンバのCBに補足され続けていました。一方、茶島はサイドとの絡みを意識しながら、何とかスペースをつくろう、見つけようと、ガンバとしては厄介な動きを続けていました。
 ゆえに――石原が不在の――広島が同点ゴールを狙うなら、上述の手段か、あるいは最初の手を単純なサイドの交替にとどめ、茶島を続投して様子を見た方が良かったのではないかと思います。
 ただ、森保監督としては、皆川を起用し続けることで、鳥栖戦のように最後の最後で相手がマークを放してしまい、そこにクロスが入る……セットプレーも含めてそういう紛れ、あるいはガンバの「ミス」に、より期待をかけたのかもしれません。
 しかし、ガンバの守備組織がターゲットマンに対して大きなミスを犯すことはありませんでした。健太のプランニングおよび微調整と選手たちの頑張りが相乗効果をみせてくれた、ガンバが一枚上手でした。


 次はダービー。岩下不在のテストは天皇杯で好結果を得られてますから、普通にやればまず問題ないと思いますが、油断せず気を引き締めて、勝ちましょう。 


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9.September.2014

2014 ナビスコカップ準々決勝第二戦 ガンバ大阪 3-0 ヴィッセル神戸

 選手はもちろんのこと、とりわけサポーターから、タイトルに懸ける意気込みがテレビ画面を通じても感じられた神戸に対し、先制、中押し、駄目押しときっちりたたき込んでの3-0。ガンバの1勝1分けで文句なしの勝ち上がり。第一戦と比べると随分と楽な試合になりました。

試合内容雑感
 第一戦からの主立った変更点は以下の通り。
 【ガンバ】
 ・スタメン変更なしも、新潟戦の好調さを買ってか右に入っていた倉田を左に戻す
 ・相手のプレスに対しては恐れず深追いさせるよう丁寧に廻して疲労を誘う
 ・ラインを心持ち上げて一歩前で当たり、遅らせてからのリトリート
 【神戸】
 ・宇佐美対策か、ラインケアの出来る岩波に替えて対人に強い河本を起用
 ・プレスは第一戦と同様にかける

 結果、ガンバの施してきた対策が的中し、第一戦とは異なりボールの回収どころまでだいたいセットできた状態で神戸の攻撃を迎え撃つ形となり、神戸はそれを試合中になんとかすることができませんでした。ガンバの仕掛けと河本の起用が、ガンバにとっては良い循環を生み出したように思います。
 河本は対人、特に跳ね返しは強くて上手いCBです。しかし、ラインを下げてしまうことで、その分DFラインと攻撃陣の間でセカンドボールを奪い合い攻守を切り替える場面では後手を踏み、チョン・ウヨンとシンプリシオに過重労働を強いてしまい、結果として裏目に出てしまったのかな、と感じました。岩波なら(裏を抜かれるリスクはありますが)ラインを上げて、ビルドアップにも参画できたでしょうが、絶対的なゴールメーカーの存在が神戸の首脳陣を悩ませ、この選択を採らせたのでしょう。

 かくして初タイトルを渇望した神戸は涙を呑み、一方ガンバは「西の雄の帰還」を高らかに喧伝するまであと3試合というところまでたどり着きました。
 さあ、あと3つ、あと3回勝ちましょう。

3つのゴールを振り返る
 さて、この日の3得点はどれも良いものでした。1点目は速度の変化を付けた丁寧な崩しで左サイドを抜いてから中に折り返したボールを、復調なった阿部がCBの股を抜くダイレクトボレーというゴラッソ。2点目はハーフウェー・ラインより前できちんと相手を補足してプレッシャーをかけてバックパスのミスを誘い、それを宇佐美がいとも簡単に難しいシュートで沈めたナイスゴール。
 そして出色は83分、神戸にトドメを刺した3点目。
 ジェソクの正確なフィードを佐藤が身体を張って収めてくれて、ノープレッシャーの位置にしれっと入り込んだ宇佐美に落とすと、いちにのさん、と左サイドでワイドオープンの倉田にパスし、それを秋がドリブルで持ち込んでからきっちりとだめ押し弾にしてくれました。
 いやはや、オフェンスラインが身体を張り、QBからWRに綺麗なタッチダウンパス、といった感じで、とてもいい連携、素晴らしいゴールでしたね。特にパトリックと交替で入っていた佐藤の仕事は、このゴール後のセレブレーションやその他のプレーも含めてとても良かったです。天皇杯あたりで、佐藤に宇佐美とセットでの先発のチャンスを、と思います。


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4.September.2014

2014 ナビスコカップ準々決勝第一戦 ヴィッセル神戸 1-1 ガンバ大阪

 ざっくりと見返しての印象で恐縮ですが、前半戦のなかでも低調だった頃の香りがする試合と言いますか、強いチーム相手に内容でこてんぱんにやられた試合と言いますか。しかしながら宇佐美が挙げた先制ゴールを、幸運にも助けられながら虎の子のように守り倒す形で、一歩間違えば大差がついてもおかしくない試合を1-1の引き分けに持ち込むことが出来ました。
 初戦引き分けということは、「勝っても進めない」という状況を自力で消滅させたということでもあります。したがって、ミッションはシンプルです。ホームの万博で勝てばそれでいい。

 さて、この試合のポイントはやはり、森岡が代表で不在というチーム事情を逆手に取ったと思われる安達監督の仕掛け。田代とマルキーニョスの2トップにして均等かつ強烈なプレスをかける。何度かあるであろう裏抜け一発はなるべくサイドに追い出すように仕向けて目を瞑る。おおざっぱに言えばこういう戦い方でした。これに対し、ガンバは上手いこと対応できませんでした。
 とりわけプレスとセカンドボールへの対処で中盤のサイドが後手を踏み押し込まれ、FWと味方バイタルの間で球をはたける選手を配せず、結果としてカウンターに人数をかけられなかったことは、この試合の流れを決定づけたと思います。
 また、パトリックと交替で入った佐藤が増川を外そうともせず彼に捻られてしまったこと。ならびに、(宇佐美と交代で入ったリンスも含めて)CBとCMFの間までもらいにくるでもなく、守備でプレスバックするわけでもなし、という監督の期待を裏切ったと思われる出来だったのも大きかった印象です。
 さらに、ジェソクの止血に手間取り、前半のかなりの時間宇佐美に左SHとして守備を強いたのも、ボディブローのように効いてしまいました。
 その宇佐美、監督によると最後は打撲もあって引っ張らなかったとのことですが、左足でのシュート、倉田へのパス、パトリックへの変態パスと、得点以外にも純粋な個の力で何度か「何とかしかかった」彼の疲弊が早まったのも、ガンバには厳しかったですね――まあその、最低限パトリックのチャンスは沈めてほしかった、あれが決まっていればあるいは、と思うのが正直なところではありますが。
 ただ、パトリックが下がっている状態で宇佐美まで下げると、少なくとも攻撃面では相手に与える脅威が大幅に減ることは監督も重々承知していたでしょうから、第二戦を見据え「引き分けでも良し」とした采配が、日曜日に彼のゴールとクラブの勝ち抜けという形で結実すると信じましょう。

 日曜日の試合に関してですが、神戸は点を取らないと始まらないことから、おそらく水曜日の上手くいったやり方をある程度踏襲してくると思われます。
 では、プレスをどう外すか。監督はきっちり分析して、中3日で出来うる限りの対策をとってくれるでしょうが、一サポーターとしてガンバのやり方とメンバーを考えると、有力と思えるのは以下の2点でしょうか。
・相手センターハーフの背中に球を捌ける、もしくは運べる選手を置く
・パトリックが右に流れるので、左サイドにもスピードのあるレシーバーを置く
 前者だと大森が不在なので、二川に頼ることになるでしょう。阿部が怪我明けということを考えると、単純に二川を入れていけるところまでいってもらい、その間に取れるだけ点を取りに行くというやり方で良いのではないでしょうか。
 後者は守備的に入りつつカウンターの発射先を増やす、少々奇をてらったやり方ですが、これは適任者が藤春しかいませんね。となると、彼(と周り)の守備負担を減らすため、コンちゃんが落ち気味となりSHが絞る5バック気味の布陣とし、彼にどんどん岩波の裏をつつかせる、というやり方になるのかなと思います。

 さてさて、今日はこのくらいで。
 何はともあれ、勝てばいいわけですから、タイトルを目指して日曜日も頑張りましょう。なお0-0は……このカードは点が入ることから考えにくいので、85分過ぎても0-0だったら考えるくらいでいいと思います。


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