März 2015

27. März.2015

2015 J1 1st-3節 ヴァンフォーレ甲府 0-2 ガンバ大阪

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 行ってきました甲斐国、甲府、小瀬。年度末の忙しさも一段落したのでやっとこさ更新です。
 前半が終わった瞬間、バックスタンドに座す愚生の眉間には深い深い皺が刻まれていたのですが、試合が終わった瞬間は小さくガッツポーズをすることが出来ました。ありがとうコンちゃん。

試 合
 前半は本当に厳しい試合展開でした。素人目にも「スタメン変えなさすぎでは?」という疑問が湧いてくる選手起用の結果なのか、明神を筋肉系の負傷によりわずか8分で倉田へと交代せざるを得なくなり、その後は甲府のスタイルとなりつつある5バックを向こうに此方は窒息。得点どころか好機の匂いすらしませんでした。
 真ん中への選択肢を一旦切られると、相対的な体力不足という現状も相まって、(加えて、ヤットさんは引いてCBのフォローにまわることが多いので)セントラルでボールサイドに顔を出せる人がいなくなる。それゆえ間延びしてサイドでのビルドアップがままならなくなり、攻撃のスピードを上げられないまま主導権を対戦相手に明け渡してしまいがちなのは、最早各チーム周知のことなのでしょう。
 実際、ガンバは開始直後に右サイドを急襲し米倉のクロスから大森のヘディングシュートという好機を産み出してからは二進も三進もいかなくなってしまい、前半の残り15分くらいは鳥栖戦と似たような形でパトリックを真ん中に寄せ、ロングボールと「紛れ」頼みのサッカーに移行してしまいました。途中、岩下がいい仕掛けのパスを出していましたが、それも功を奏しませんでした。
 そんなガンバに対し、甲府は塹壕戦上等でそのまま時間を潰しつつロングボールと走力を利することで体力面での優位を築き、これもおそらく見抜かれていると思われる今のガンバのスタミナ不足を衝いて、後半の後半に勝負をかけてくるつもりだったと思います。
 
 そんな状況を鑑みて健太が下した決断は、HTでのコンちゃん投入。
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 (小瀬バックスタンドから観たこの日のコンちゃんのイメージ)
 
 45分は出来ると踏んでいたようなので、ぶっつけ本番ではあるものの、監督としては想定内の起用であったと思います。体力的な面を考慮して大森を下げ、倉田を左サイドへと配置転換し、まんま「三冠チームの基本型に戻す」というこの決断と、何よりそれに応えてあまりあるコンちゃんの素晴らしいパフォーマンスが、この試合を決めました。
 コンちゃんが中央を制圧し、たとえ一時的にせよカウンター状態を作り出し、ポゼッション時にはリンクマンとして顔を出して逃げ場を用意してあげることで、チーム全体が見事に連動。パトリックは右サイドを基本軸として時には左サイドにも標的のスペースを見つけて気持ちよく地ならしを続け(シュート? はて、何のことですかねえ……)、宇佐美はコンちゃんの心憎いポジショニングにより倉田や藤春との距離を適切に保てるようになってCBとWBの間のギャップを糸口にゴールに迫る。こうなるとSHのポジティブなトランジションとカットインも面白いように活用されだし、SBの上がりも使えるようになりました。そして最終ラインも、ボールオン時に先手を取って仕掛けられていることから、相手ボールになっても準備が間に合うようになり、前半が嘘のような試合展開になっていました。
 いやはや、生で観られて気持ち良かったです。10分くらいで「事故らなければ勝てる」と確信し、そのように事が運ぶ試合なんてそうそうないですから。なお、甲府はそんなガンバの「ジキルとハイド」を想起させる豹変ぶりに、試合終了まで応対できなかったように見受けられました。
 最後の15分はさすがにスタメン組の疲労が強く出たことと、2点のリードというのが相まって受けに回りすぎ、フリーキックを与えすぎていましたが、それでも決定機は作らせないまま試合終了。今季のリーグ戦初勝利を挙げ、古兵の里で四月反攻の狼煙を上げることができました。眼福、眼福。

勝って兜の緒を締めよ
 確かに勝ちましたが、やはり組み立て、特にサイドでのそれが拙いというのは解決していかなくてはいけないと感じます。
 今季はFWが動けている――昨季前半はそもそもFWが殆どいなかった――のと対照的に、ボールサイドのSHに細かい動きが少なく、かつ彼らがサイドに張りすぎている場面が多いような印象がありますので、SHが中に入ってSBがアングルをつけてボールを出しやすいように仕向けるのも一興かなと思います。というわけで受け手のお手本としてフタさんをですね……おっとっと。
 そして、出し手であるハルもヨネも、詰まったら遠くを見てフィードを飛ばす、あるいは直接サイドを変える(勿論、レッズに倣って東口を使っても構いません)ように、受け手共々心がけてみてはどうかなあ、と思います次第。ジェソクはこの辺がふたりと比べて一枚上手なので、負傷さえなければファーストチョイスなのでしょう。
 加えて、ビルドアップを上向かせるスパイスとして利用したいのがCBの持ち上がり。ドリブルで数メートル進んで相手を引きつけてから叩いたり、全体が下がりすぎないよう前のスペースに顔を出してフィードを飛ばしたり、という、往年のシジクレイのような気の利いたプレーです。特に岩下兄貴にはそういう役割を期待したいなと思います。そのまま敵陣までドリブルで突撃し露とは言いませんので……
 また、コンちゃんがいれば大丈夫なのですが、逆に言えばコンちゃんがいないと廻らないことが露呈してしまったので、この先、数年先を見据えると誰が出てもある程度の質を担保したいもの。
 そういうわけで、この日の映像を当にお手本として、井手口に経験を積ませてあげられたらと思います。一方、明さんには、まずは無理せずフルコンディションで出られるように調整してもらいたいです。プレータイムをマネジメントすれば、きっちり仕事をしてくれることは今季既に証明してくれていますから。

 代表戦が終われば春爛漫、いよいよ本格的に目覚める時。
 とりあえず黄金週間最後の城南戦まで、全部勝ちましょう。 


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17. März.2015

2015 J1 1st-2節 サガン鳥栖 1-0 ガンバ大阪

 ACLに始まる4連戦が終わり中6日間が空いたことで、懸案のコンディション面で多少なりとも向上が見込まれた試合でしたが、蓋を開けてみれば残念ながらそういうわけでもありませんでした。
 良化が特に望まれる大森や両CB、交代出場の阿部は引き続き低調で、中盤を仕切る明神には中6日にもかかわらず疲労がうかがえる有様。それでも、前半パトリックに訪れた2度のチャンスのうちどちらかが決まっていればまだ展開は違ったと思いますが、負けるときは得てしてそういうシュートが入らないもの。ボールこそ保持すれどもそれくらいしか好機を生み出せなかったことを反省し、次への糧にすべきと感じます。
 以下、詰まった原因と対応策について浅学の身なりに愚考してみようと思います。

試みとその結果
 監督は出遅れに対して、決して何もアクションを起こさなかったわけではありません。
 パトリックを基本的に真ん中寄りに配したり、SBに高い位置どりを求めたり、擬似スリーバック的な運用(明神過労死システムともいう)を試みたり、前々からの嵌め込みを意図したりと、(おそらくは)鳥栖をスカウティングした成果を落とし込みつつ、実は監督が結構興味を持っていると思われるハイライン系のやり方を試みることで、攻守の梃入れを図ってはいました。
 しかし、それは結果として宇佐美のプレーエリアを狭め、時間と空間を無理矢理作り出すパトリックの持ち味であるパワーを包含したスピードを殺し、それゆえにパスコースが塞がり、相手バイタルエリアでのレシーブアンドパスができなくなり、かといって技術的な問題からサイドでのビルドアップはままならず……意図していたにせよいなかったにせよ、ロングボールに頼らざるを得なくなる――そして昨年はカバーできていたCBの対人守備という問題を晒される、そんな悪循環へと転化されていたように思います。
 この日の構成だとバックライン唯一の砲台となる岩下にはきっちり守備を当てて、リードしてからは豊田まで加わって高さを含めた「使えるスペース」を消していた、そんな鳥栖のよく訓練された守備と効果的なカウンターアタックにより、そういうふうに仕向けられたという面もありますが、ガンバの相変わらずなフィジカルコンディションと、戦い方と人員のミスマッチが相まって、結果的に自縄自縛に陥っていた面が大きいと感じました。

対応策を考えてみる
 攻撃については、大森が不調、二川は出遅れでベンチ外、切り替えからカウンター状態を作り出せる今野が不在であると、極端な話、外を使えない今の陣容でポゼッションから多くの好機を生み出すのは難しいのではないかと感じます。鳥栖戦を踏まえてなおポゼッションからの崩しに可能性を見出そうとするなら、「先生、お願いします」「(無言でうなずく)」という趣の二川の登用か、三角形を半ば強引に形成させる宇佐美のトップ下起用でしょうか。後者は、なにやら固まっているような身体の動きが彼本来のしなやかな動きへとほぐれてくるのが前提となりますが。
 ゆえに、むしろ、こちらのフィジカルコンディションを整えたうえで、相手を引きつけてのパトリック大爆走――ある意味、サイドのひとり地ならし、違ったビルドアップ――を基本形として徹底させるほうがいいのかもしれません。困った時はタスクをシンプルにして、応用や新たな試みはそれから、といった具合です。
 守備に関しては、シンプルな形への回帰を踏まえると、藤春と丹羽を外してみての西野と米倉のスタメン起用を真剣に検討するべきだと感じます。また、今野が帰ってくるまでの急場凌ぎと帰還後のオプション構築を意図して、遠藤真ん中に倉田と阿部もしくは明神(井手口)がインサイドハーフのスリーセンターを試してみるのも、良いのではと思います。

 そんなこんなで、さてさて、立て直しにためにも、まずはブリーラム戦を勝ちましょう。  


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14. März.2015

2015 J1 1st-1節 ガンバ大阪 2-2 FC東京

 会議やらブリーラム戦を観に行くための仕事片付けやらで、気がつけば土曜日。まあ結局、来るべきものが来ないのでブリーラム戦は行けなくなりましたがね……(´・ω・`)

 さてさて、開幕戦。華々しいアピールとは裏腹に、渋く地味でかつ互いの攻撃陣が低調な試合を個の力で首尾良くものに……するはずが、こちらのパフォーマンスがガクンと落ちてしまい下がって立っているだけとなったところに、フィッカデンティ監督の適切な修正によって繋がりはじめた相手の攻撃が加えられ、それに対するこちらの修正が何も無かった(むしろリード中に唯一切ったカードは結果的に裏目)ということもあり、守り切れずに2-2の引き分け。
 2-0から追いつかれたのは確かに痛いのですが、後半の後半はサンドバッグ状態になっていましたので、負けなくて良かったと思っております次第。
 以下、もう第2節の日になってしまいましたので、良かったところ、悪かったところ、そしてこの試合までの流れを踏まえての個人的に気になるところ2点を、ざっと述べようかと思います。
 
良かったところ
 明神と先発2トップはとても良い仕事をしてくれたと思います。
 明神は「居てほしいところに居てくれる」ことで中盤中央を締め、攻撃面でも潤滑油となってくれました。前への圧力や前後の可動域という点ではさすがにコンちゃんが上ですが、レギュラーとしてしかるべきプレーぶり。ベンチの井手口には、とても良いお手本になったことでしょう。
 また、2トップは(もともとFW陣は相対的にコンディションが良さそうでしたが)だいぶ仕上がってきた感じです。攻撃にかかった時の組織自体はまだまだ人数も連携も足りない状態ですが、ふたりは守備もこなしながらそれぞれが得点を挙げてくれました。
 先制点は、笛が吹かれるべきところで吹かれなかった事象に対しセルフジャッジで頭と足を止めてしまった相手につけ込み、宇佐美が涼しい顔で遠藤へとつなぎ、遠藤の職人芸的クロスからパトリックが頭で首尾良く奪ったもの。また、2点目は後半早々にFWふたりのワンツーから宇佐美がエリア内で梶山の不用意なタックルを誘発しPKを得て、自ら奪ったものでした。
 もちろん、その後も決めて欲しい場面はありましたが、孤立する場面が多く負担が大きいことを考えると、充分な仕事をしてくれたと思います。

良くなかったところ
 この試合にフォーカスすると、監督のフリーズ、これに尽きます。
 この日の守備は60分頃までは今季一番のパフォーマンスでしたが、(おそらく)仕上がり途上であるところに氷雨も加わり早々とガス欠となり、サイドハーフとセンターバックが切り替えできなくなり下がりっぱなしとなると、そのまま反発できずに為す術なく2点を献上してしまいました。相手は中央の攻撃――前田の動きをどう使い厚みを出していくか――がまだ模索中であったために同点で済みましたが、逆転されても不思議ではない状況でした。
 そんな中、監督が追いつかれるまでに打った手は2-1となった後に宇佐美に替えてリンス、これのみ。
 彼以上に後ろが疲弊し、塹壕を掘れず薄い板塀を恃みに塹壕戦をやっているような状態でしたから、城南戦ベンチスタートにした宇佐美は90分出すべきでした。そういう局面にもかかわらず、前線で強烈な抑止力となる彼を下げることは、守備面でかえってマイナスになるように思います。あれ、なんか昨年も似たようなことを書いた気がする……まあいいか。
 ともあれ、ベンチ入りメンバーを考えると、宇佐美は残してリンスならびに阿部をサイドハーフ2枚と交代するか、思い切って明さんに替えてフレッシュな井手口を入れるなど、早めに手を打ってほしかったなと感じました次第。そうであれば、リンスもタスクが整理できて混乱しなったのではないかと思っております。
 
気になる点その1~CB陣の豪快な仕上がり遅れ
 チーム自体が先を見据えて緩く入った代償を払っている状況ではありますが、コンちゃんの負傷に小椋のフィット失敗が加わったものの救世主大明神再臨でどうにかまわしている中央のMF、3人でまわしてはみたものの阿部と大森の状態が昨年後半の水準にはないサイドのMFよりも、現状はCBの層の薄さが深刻かもしれません。
 チーム全体が――徐々に調子を上げていくという作り方なので致し方のない面もありますが――まだまだの出来ということで、丹羽ちゃんの対人、ジョンヤの足もと、怪我をおしている岩下兄貴のフィジカルという弱点がカヴァーしきれず棚晒しになってしまっているというのもさることながら、何より大きいのは西野の不在でしょう。本来であればレギュラー争いに割って入って、とりわけ引かざるを得ない状況で跳ね返しとフィードの力を発揮してくれるはずの彼が、代表で負傷して以来ポジションを争える状態に戻ってこない(キャンプを経ても戻せなかった)。そんな状況がチームにとってボディブローのように利いています。西野、はやくコンディションを戻しておくれ。

気になる点その2~切り替えの質量
 明神が八面六臂獅子奮迅の活躍をみせてくれている場合は目立ちませんが、やはり全体的に中盤から後ろの切り替えが質量ともに充分ではない印象です。そのために、以下のような事象が起こっているように見受けられます。
・カウンター時のサポートが足りずあと一押しができない
・時が経つにつれラインは自然と下がる
・各々がばらけて相手の出し手に誘導やプレッシャーをかけられなくなってしまう
・無論、セカンドボールも拾えなくなる
 杞憂とは思いますが、ひょっとすると、試合を重ねて仕上げていくつもりが、向上前の身体に負荷がかかりすぎて、当初思い描いていた青写真よりも遅れているのかもしれません。やはり、(今までの記事からの繰り返しになってしまいますが)キャンプからの調整はもう少し何とかならなかったのかという思いは頭をよぎります。リーグ戦はまだしも、このままではACLは終わってしまいますから。まあ、勝つので終わりませんけどね。 
 切り替えの質と量はこのチームの根幹にして、さらなる高みに立つための礎ですので、その点が一刻も早く立て直されることを祈ります。


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6. März.2015

ACL2015 第2節 城南FC 2-0 ガンバ大阪

 基本的な試合展開や問題点は、(細部は違えど)広州戦と似たようなものなので割愛します。ポジショニングと守備組織がねえ、うん。

 さて、今のガンバは、鷹揚に構えすぎた結果なのか、はたまた逆にスカウティングや練習内容の落とし込みにこだわりすぎて出遅れたのか――いずれにせよ、試合勘不足からくる距離感の欠如と低調なコンディション(心身が整って動けているのは倉田、東口、明神、パトリックにリンスくらいでしょうか)をみるに、期間の割に試合の少ない印象だったキャンプからACLの開幕へと、あまりにも緩く入りすぎてしまったツケを払う結果になっているように思えます。
  監督やスタッフとしては2013年、2014年と同様のテンションで仕上げ、2015年のシーズンに臨んでみたのでしょう。しかし、ACLのグループステージは1/6の集合体ではなく、決勝戦が6試合続くようなもの(中国や韓国は早めに仕上げてきますし、豪州はシーズン中で試合勘の問題はありません)。ゆえに、長いシーズンを大局的に捉えた上で、少々仕上げを早めておいたほうが良かったように思います。そのあたりはスタッフの「経験不足」ということなのかもしれませんが、そこに今野の負傷と代役の仕込みミスが重なりバランスが崩れ、二進も三進もいかなくなってしまったといったところでしょうか。
 というわけでガンバについては、ディレイ守備がどうとか、パスサッカーがどうとか、球際がどうとか、気持ちがああだこうだといった、通り一遍にわき上がりこれ見よがしに叫ばれるそういう問題ではないでしょう。属人的な問題という面もありそうですが、単純に、積み上げてきたことを試合で実践できるまでに至っていないのだと思います。
 しかしながら、ACLは残り4試合を全勝すれば突破できますし、3勝1分けでも可能性は充分残ります。Jリーグ2試合をしっかり戦って勝ち、難敵ブリーラムを迎撃し、一歩を踏み出しましょう。
 以下、気になった点についてざっくりと。 

小椋の起用
 コンちゃんの離脱、井手口は回復途上(?)、明さんはさすがに週2回連続スタメンはキツいということで初戦に続き出番が回ってきた形ですが、初戦同様45分で交代。彼にとってこの試合は大きなチャンスだったのですが、それをフイにするばかりかこのレベルではあるまじきホールディングで試合開始早々にPKを献上しゲームプランを破壊、その後は中盤に穴を空けてチームが間延びからの自壊へと至る要因となってしまい、45分で明神との交代を命じられる残念な結果となりました。全体的に低調なので決して彼一人が悪いというわけではありませんが、ACLにおけるチームの低調さのかなりの部分が彼によってしまっているという印象です。
 ACLの2試合から彼の現状を鑑みると、ポゼッション時は足下の技量不足とポジショニングのズレで絡めず、リトリート時は背後のケアが覚束ないためCBと合奏できず、攻から守へと切り替わる時は位置取りが前のめりすぎてトランジションに遅れをとり、守から攻へと転じるときは距離感が掴めていないのかバランスが取れない。前へ飛び出してのボール奪取力はさすがのものを感じますが、それ以外の面はチーム自体の状態が上述の通りであることを差し引いても、「中央のMFとしてかなり厳しいな……」という印象です。PK献上という明白な「お手つき」こそなかった広州戦も、1失点目のシーン――米倉が上がり、丹羽がプッシュアップした状態で前目に行って不要な密集をつくり、ハムダラーと距離をとりすぎてしまった――などは上述した彼の問題点が凝縮されていましたし、監督はそういうポジション取りの問題を斟酌し、この日も前半のみで交代せざるを得なかったのだと思います。
 広州戦でも書いたように、監督のことだからいずれきっちりはめ込んでくれるとは思いますが、この2試合から判断すると、それまでにはかなりの時間を要するかもしれません。そして、同じポジションを争う選手のうち飢えた特級の若手はもうじき戦列に復帰し、いずれは日本代表も戻ってくることから、この先ガンバが調子を上げてきた時、彼は18人に入ることすら容易ではなくなっている可能性があります。ゆえに、彼はここが踏ん張りどころでしょう。巻き返しを期待します。
 
宇佐美のコンディション
 攻守に動きを取り入れようという意識は着実に良くなってきていると思います。ただ、それとは逆に肉体のコンディションが向上の途上であるせいか、ボールオン時のプレー、特にトラップやモーションが硬く大きくなってしまっている印象です。この日はベンチスタートとなりましたが、途中出場後のプレーをみると、スタメンを外れたのも無理からぬことだと感じました。ただ、その辺りを焦らずにフィットさせていけば、いずれ爆発してくれるでしょう。

引いた相手を崩せない
 サッカーにおいて組織的にブロックを形成できる相手を組織的に崩すというのはそもそも容易ではないので、チームとしてのガンバの現況を考えると得点が取れないのは致し方がないと思います。組織を無視した変態ゴールは年数回あるかないかですから。城南戦では、ボールの出し入れといった試みの質は初戦より上がっていましたが、岩下の欠場と宇佐美の温存、阿部およびSBのコンディション不良が重なり、結局相手のブロックを上回るには至りませんでした。
 さしあたっては、失点せずに試合を進めることが大前提ですが、引いた相手に攻める状況となった場合は以下の3点を意識し向上させていけば、ある程度得点できるようになると思います。
・セットプレーのボールの質には改善の余地がありそうです。遠藤のフィットネスが上がってこないからか、感覚的な問題なのか、ACLではショート気味のボールが多いので、そのあたりの修正が望まれます。
・能動的に崩しきるなら、宇佐美や遠藤と絡んで隙間をつくりそこを利用していける選手の必要性を感じます。そういう方向性で仕掛ける際は、ふたりに絡む軸として心身のコンディションが調った二川と大森が必要でしょう。
・相手に渡った(渡した)ボールを敵陣で回収し、クロスカウンター的に取るという方法もあります。ただ、それをやるにはコンパクトネスの維持が不可欠であり、その辺りが持ち直して守備の強度が戻ってくるまで我慢が必要と感じます。

 さあ、J開幕。ガンバはこれからですよ、これから。 


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